タヒチ通信 NO3 (発信地 ハワイ)
現在、タヒチからハワイに移動する飛行機の中にいます。
時計では、タヒチ時間の9月3日午前5時です。
今回は昨日の抗議行動のうち
午前中に行われた、現地住民と海外から参加した
市民及び議員団の合同で行われた、
タヒチ・ピース・マーチ(タヒチ平和行進)の模様を
お伝えします。
午前中のピース・マーチは、悲壮な激しい抗議集会と言うより
明るいタヒチアン・ミュージックがBGMとしてふさわしい、
どちらかと言えば照りつける南国の日差しがよく似合う
アットホームな心温まるものでした。
私たち核実験反対タヒチ派遣団は
超党派の議員22名と同行した議員夫人3名の25名が
中心です。
日本から持っていった
「STOP NUCLEAR TESTS」の横断幕を先頭に、
核実験反対の日本のNGO102団体が作ってくれた三角の小旗を
手にもって歩くのです。
FAAA市の市庁舎を出発し、パペーテ市の中心街まで
約8キロの行程を、ゆっくりゆっくり歩くのです。
日本からは我々の他に反核の活動を続けてきた市民の皆さんが
参加しています。総勢は200名を越えるでしょうか。
また世界から参加した皆さんを合わせると1万人位になるでしょうか。
(3000人くらいと見る人もいてはっきりしません、、、、)
主催者側の設定したスタート地点が直前になって変更されたりしたため
若干の混乱がありました。
それでも道路に延々と続く行進はなかなかの迫力です。
各自思い思いの旗や横断幕をかかげ、歌を歌いながらの行進です。
沿道にはタヒチの住民がつめかけています、そして拍手がときどき
わき起こってきます。
ピースサインを送ってくる人もいます。
私たちの持っている三角の小旗をおねだりする子どもたちもいます。
家族連れで沿道に見物に来ている人もいます。
タヒチではここ10年なかった大きなイベントとなりました。
我々のすぐ前には、独立推進派のリーダーで、
今回の抗議行動の企画をたてたFAAA市の市長オスカーさん
のグループが歩いています。
彼は、行進の数日前になってフランス政府から身柄の拘束を受け、
そして直前に拘束解除された、
いわば今回の催しのシンボル的な存在です。
彼の意図は「核実験反対」であると同時に「ポリネシア独立」でもあります。
双方が論理的には必然の関係にあると考えているのでしょう。
しかし、我々の立場はあくまでも「核実験反対」が主であること明らかです。
双方の混同は避ければなりません。
彼らと我々の距離があまりに近づいてしまうと、
日本議員が独立推進派に肩入れしているように受け取られてしまう。
そうなると核実験反対という我々の行動が
特定の政治的目的に利用されてしまう。
そんなことのないように、前を歩く独立推進派の中枢グループとは、
一定の距離を置かざるを得ませんでした。
我々のすぐ後ろにはオーストラリアの国会議員団、
さらにニュージーランド、スェーデン、デンマークの各代表団が
続いて歩いてきます。
独立派の前をグリーンピースの人たち、さらにその前をポリネシアの現地の人や
、広島の皆さん、長崎の皆さん、なかには「革マル」の全学連の旗も見えていました。
私たち日本の超党派議員団(22名の議員と3名の議員夫人)も
前後からわき起こる歌声に触発され途中から歌が出ました。
実は私は日本フィルの協会合唱団でバリトンを歌っています。
妻は声楽家の出身。二人が音頭をとるかたちで、足どりに合わせ
流れる汗と疲れでともすれば重くなる行進のムードを励ましていきました。
核実験反対にふさわしい歌を、
そして年齢層の離れた議員たち(28才から72才まで)が共通に歌えて、
歩くリズムに合っている歌、そしてみんなが歌詞をそらで覚えている歌を
瞬時に選んでいくのは結構骨が折れました。
「ふるさと」の意味を「地球」に置き換えて歌いましょう、
こう提案して「兎追いし、かの山、小鮒釣りし、この河」と
歌い始めました。
「赤トンボ」「烏の子」等の童謡、からはじまり
「戦争を知らない子どもたち」
「WE SHALL OVERCOME]
果ては、クリスチャンの五十嵐議員が「賛美歌」を歌い
グリーンピースの船でムルロア環礁に向かう予定の金田議員は
「リパブリック賛歌」を歌いました。
汗をびっしょりかきながら
結局全行程みんなで歩きとおしました。
南国の強烈な日差しのなかで、
決して激高しない現地の人々の温厚な表情に接し、
どんなに悲しい運命でも即座にのみこんでしまえそうな
奥深い知恵を感じさせる黒い瞳の底を見つめ、
あくまで明るい長調の和音で終始するポリネシアの民謡を聞いていると、
やがて言い知れない悲しみが伝わってくるのを感じました。
そして、「核の抑止力」とは一体なんなのか、
「核攻撃と言う恐怖」によって守られた世界の平和とは一体なんなのか、
そんな原点の疑問が静かにしかし圧倒的にわき起こってきます。
人類は人類自身に対し一体今まで何をしてきたのか、
そして人類は自らをはぐくんだ地球に対し一体何をしてきたのか。
未来に向けて我々はなにをなすべきなのか。
以上
北京原人 こと 衆議院議員 簗瀬 進