第3 民主党の政策
4 基本政策
4 基本政策
民主党は結党時に、ゼロ番から一二番までの13本の基本政策を決定した。
いずれも未来をしっかりと洞察した画期的な政策群である。
(0) 信頼と協力のネットワークを拡げる ――新党の歴史認識――
明治憲法体制確立以来の「追い付き追い越せ」の100年間は、
同時に「脱亜」の一世紀であり、日本の経済成長や繁栄はアジアの人々との
共生を欠いた一国中心主義的なものであった。
それはまた、国内にあっては、開発中心の官主導社会を生み出してきた。
官主導の国家中心型社会は、依存と責任意識を欠いた政治を生み、
現在に至っても無責任政治をもたらしている。
戦後の半世紀を迎えたいま、改めてその無責任体制を変革する課題が残されている。
私たちは、この課題に挑戦することを第一の使命として
新しい政治集団の創設に臨みたい。
そして、日本社会は何よりも、
アジアの人々に対する植民地支配と侵略戦争に対する明瞭な責任を果たさずに
今日を迎えている。
21世紀に向け、アジアと世界の人々との信頼を取り戻すため、
アジアの国々の多様な歴史を認識することを基本に、
過去の戦争によって引き起こされた元従軍慰安婦などの問題に対する
深い反省と謝罪を明確にする。
そうした過ちを再び繰り返さないための平和アピールを全世界に向かって発信する。
このなかで私たちは、
一定の歴史観を押しつけることなく、
歴史的事実をめぐるアジアの人々との認識のズレを克服し、
過去の問題にはっきりと決着をつける必要がある。
そして、過去の重荷がアジアをめぐる現実の諸問題に対する認識や
対応に曇りを生じるようなことは、厳に戒めなければならない。
21世紀を迎えようとしている今日、
アジア地域はそのめまぐるしい経済発展とともに、
多様な民主主義を実現している。
同時に、市民のエネルギーが国境を超えて相互に結びつき、
環境問題や女性政策、人権政策などについての共通の取り組みが生まれている。
私たちは、過去への反省を基本としつつも、
未来に向う新しい絆に着目し、
21世紀に向けて信頼と協力のネットワークをアジアから世界へと拡げていきたいと考える。
(1) 国連改革と地域的安全保障体制の確立
日米関係を基軸としつつ、自立した外交政策を確立し、
歴史的に深いつながりのあるアジア諸国と強い信頼関係、
友好関係を構築することを外交・安全保障の基本とする。
アジアにおいては、多角的地域安全保障体制の構築をめざす。
このため、アセアン地域フォーラム(ARF)を積極的に充実・発展させ、
いわゆる極東有事を発生させない国際環境づくりにつとめる。
沖縄に過度に集中している米軍の施設・区域の整理、縮小に精力的に取り組む。
在日米軍基地の存在を永遠不変のものとかんがえるのではなく、
国際情勢の変化に伴い、「常時駐留なき安保」をも選択肢の一つとした
平和の配当を追求していく。
その際、米軍の機能低下をカバーするため、
日本国憲法の範囲内で、行いうる新たな役割を検討する。
国連を中心とする普遍的安全保障体制の確立を促すため、
国連改革に率先して取り組む。
とりわけ、安保理の民主化とNGOとの連携を通じた
「社会経済保障理事会」の設置をめざす。
また、軍縮、環境、人権、福祉、高度医療など非軍事面での、
地球規模の国際貢献を積極的に推進する。
ODAについては量から質への転換をはかる。
(2) しなやかな市民中心型社会への転換
政官業癒着の社会経済構造の中で、
日本社会が深い閉塞感に覆われている。
複雑な規制が市民社会や市場の活力を奪い、
物質的豊富さの中で「幸せ感」が喪失するという事態に
私たちは強い戸惑いを感じている。
人々が社会参画する多様な機会を拡大し、
その生き生きとした人生を達成できる市民主導の新たな社会の姿を
構想していく必要がある。
官僚主導の政治行政システムを変革し、
行政セクター、企業セクターおよび市民セクターのバランスがとれた
選択の自由度が高い「しなやかな市民社会」の構築を進めていくことが
21世紀に責任を持つ私たちの課題である。
このため、新党の最重要課題の一つとして
市民活動の活性化を促し、市民事業の自由を認め、
これを保障するNPO(非営利活動法人)法の確立に取り組む。
NPO法は、市民の自発性、自主性、独立性、多様性が最大限尊重される
準則主義に徹し、寄附金税制などの支援制度については
別途の政策立法でこれを確保するものとする。
また、多様なNPO活動を活性化して、
しなやかな市民社会の形成に貢献するため、
生産者と消費者・生活者の立場に立った協同組合のあり方を積極的に検討し
必要な改革を求めるとともに、
公益法人制度の抜本的な見直しを行う。
市民自らの行動による民際外交の展開や草の根ODA活動などのNPO活動を支援し
「国境を超える市民」と共に世界に貢献する地球市民政治を推進する。
定住外国人の参政権の確立につとめる。
市民参加の地域づくりや都市計画の作成など、
市民政治の実現のためには情報の公開が不可欠である。
市民の「知る権利」に基礎をおいた情報公開法の早期実現に取り組むと同時に、
住民投票制度の充実やオンブズマン機能、国民投票制度を検討する。
(3) 自立・共生と責任の福祉社会の確立
本格的な高齢社会への移行と普遍的な福祉システムの確立に向け、
現行社会保障制度の構造改革に取り組む。
基本的に、自立と共生の精神に則り、
市民の協同による福祉活動の活性化を支援する。
生活者としての尊厳を保障するナショナル・ミニマムについては、
公的な負担による「責任ある社会保障体制」を確立する。
このため国民一人一人に適正な負担を求めると同時に、
ナショナル・ミニマムに相当する分野について公的負担と公的保障の確保をめざす。
現在課題となっている公的介護制度については、
家族や個人の犠牲に依存するシステムから社会的介護システムへの転換を促し、
高齢者の自立と生活支援を基本に、その確立に取り組む。
人間の自立と尊厳を支える健康づくりや予防医療の充実を促進する。
障害者の自立生活などのための環境整備としてバリアフリーの都市づくりを
重点的に推進する。
安心して子供を産み育てる環境を整備すべく、
女性と男性の自立、子育ての支援を可能とする
住宅、地域生活、教育、保育などの一体的整備を総合政策として推進する。
男女共同参画社会の構築をめざして、税制と各種手当制度、民法などの見直しを行う。
医療、年金の給付水準を維持するため、
各種保険の一元化、不正受給の排除、
資金運用の検討・改善などに取り組む。
いわゆる国民負担率問題については、
公的負担と私的負担のバランスを考慮し、
単なる財政削減策や財源確保対策としての安易な目標設定は行わないものとする。
(4) 地域主権の確立と行財政の改革
集権型の政治行政システムを地域主権を基本とする制度に変革する。
いま求められる分権改革は、官官分権ではなく、
地域の自己決定と市民自治のための分権でなくてはならない。
市民参加が可能な直接民主主義が生きる地方分権に全力を傾ける。
自治体に自主条例制定権を保障するとともに、税財源の分権化を進めて
自主財源の大幅な拡大に取り組む。
2010年には、現行の地域生活圏単位を基本に、
市町村連合や合併による行政単位の拡大をすすめ、
教育、福祉、雇用、都市計画などについては一義的に
自治体の責務となるシステムへと変換する。
国の段階においては、
分権改革を前提に、従来の縦割り行政の弊害を打破し、
国民の立場に立った機能的行政組織の確立を促す。
具体的に、内閣の調整機能を強化し、
予算、歳入、行政管理、危機管理などの国家戦略課題にかかる機能については、
これを内閣直属の別組織として設置する。
中央省庁は、
外務、防衛、法務・安全、国土・環境、生活基盤、
産業・貿易、福祉・雇用、教育・科学技術・文化・スポーツ
の8つの分野区分をベースに再編する。
セクショナリズムの弊害を除去するため、
公務員人事制度の抜本的改革や民間登用を導入するとともに、
定員の削減に取り組む。
公共事業については、その量的削減と質的転換を進める。
公共事業のための第三者機関の設立と入札制度の競争性を高める。
官業は民業の補完に徹すべしという基本的考え方に立ち、
現在、行政が行っているもので民間が行えるものについては、原則民営化する。
特別会計や財政投融資制度のあり方について抜本的に見直す。
情報公開制度、国民監査制度や行政不服審査制度の充実をはかり、
透明度が高い市民中心型の行財政制度へ転換する。
(5) 21世紀に応える公正な税制への改革
税制は、政府から押しつけられたり与えられたりするものではなく、
本来市民自らが選びとるものであり、市民中心社会を築く基盤となるものである。
その基本原則は「公平・簡素・中立」であるべきだが、
現行税体系は過去の個別利害調整等によって複雑化し、
著しい歪みを生じている。
これを基本原則に沿った制度へと改めていくことが税制改革の課題であり、
自由で活力ある日本経済をつくる手だてである。
高齢社会における勤労者負担の軽減と税の公平性・経済的中立性の観点から、
税の使途と税体系の適正化を図りつつ、
直接税と間接税の比率を適正なものとする方向で是正をはかる。
ストック化経済のもとでの課税の公平性確保の観点から、
資産課税を中心として納税者番号制度の早期の導入をはかる。
キャピタルゲイン課税は、土地、株式、利子の間の課税の統一化を追求する。
消費税は、益税をなくし税への信頼性を高めるためにも、
インボイス付きの付加価値税への改善をはかり、
逆進性対策として低所得層に対する基礎的生活品にかかわる消費税分の
還付、住宅などへの軽減税率適用などの導入を検討する。
法人課税は、
国際的な潮流をふまえ、また応能応益性等に着目しながら、
課税ベースを拡大しつつ法人税率の引き下げをはかる。
所得課税は、中堅所得層の重税感の解消に努めるとともに、
所得税と住民税をあわせた最高税率を
50%程度に引き下げることをめざす。
地方税は、地方分権の推進と地域主権の確立を展望し、
国税との間における税目の整理・移譲、応益課税、資産課税の
適正化などをすすめ、安定した地方固有税額の確保をはかる。
高齢社会における公平性確保の重要性がきわめて高いことをふまえ、
税・保険料の滞納・不払い等を極力防ぎ、徴税体制の効率化をはかるために、
国税・地方税・保険料の徴収機関の一元化の検討をすすめる。
(6) 共生型市場経済の確立
これまでの日本経済の基本構造は制度疲労を起こしている。
バブルの崩壊、円高、世界市場の大競争などの経済環境の変化への
日本の対応の躓きは、もはや日本がこれまでの経済構造の延長線上に
21世紀を展望することができないことを明瞭に物語っている。
市場制度の自己規律を基本に据えつつも、
経済成長至上主義を克服し、生活の質や環境、地球社会との調和、
社会の自立的発展力の向上などを考慮した新しい経済社会のあり方を
求める必要がある。
すなわち「共生型市場経済」の確立をめざす。
政治や行政は、これまでの供給者保護から
消費者・生活者重視へとその政策基調を転換し、
公正で透明度の高い市場制度の確立を目指していかなければならない。
市場のメリットが十分に発揮でるよう、
無駄と非効率をもたらす規制の撤廃を行い、
自己責任原則の確立を基本に、
創造的企業活動の自由を保障していく必要がある。
現在GDPの40%を占めるとされる経済的規制を整理し、
21世紀初年にはこれを半分の20%以下に縮減する。
公正な市場ルールを確立するため、
独占禁止法やPL法などの厳格な適用に取り組む。
特に金融市場の透明化と金融制度の大胆な再編に取り組む。
企業会計のディスクロージャーと監査制度の充実を進めて、
国際会計基準に対応する開かれた企業活動のあり方を実現する。
円高や国内保護制度による高コスト経済のもとで、
産業の空洞化と失業の増大が懸念されている。
この現状を克服するためにも、規制撤廃と創造型企業の育成が重要であり、
ベンチャー企業や世界的先端型中小企業の支援、
情報関連産業の戦略的育成、
福祉サービス分野など
多様な市民事業やボランティア・エコノミーの充実に取り組み、
21世紀の新しい産業社会の形成に取り組む。
エネルギーの安定供給の確保をはかるため、
基本的には非化石エネルギーを指向しつつ、
環境調和型で多様なエネルギーの組み合わせ(ベストミックス)を基調とする
新エネルギー政策を確立する。
電力については、原子力発電を過渡的エネルギーとして位置づけるとともに、
各発電設備の技術的安定性、安全性、環境適合性、経済性などを総合的に評価し、
その安定供給につとめる。
(7) 創造的情報市民社会の構築
世界と日本はいま、「情報革命」という名の第三の波に覆われている。
それは単に産業活動へのインパクトにとどまらず、生活、文化、学術や芸術、
マスメディア、そして人々の感性の変容にも大きな影響を及ぼしている。
そして、情報社会における変化のスピードに戸惑いを覚える一方で、
その新しい社会技術の革新を地球市民の活動に生かそうとする
新たな試みが生まれている。
情報社会の到来は、
市民中心型社会を創り出す新しい社会基盤が形成されつつあることを示している。
情報は、多様な市民活動を相互に結びつけると同時に、
障害者の限られた生活空間を飛躍的に拡大したり、
日本に暮らす一人一人の市民が地球市民として
国境を超えた交流を展開することを可能にする。
以上の視点に立ち、
新党は何よりも、情報基盤の戦略整備に挑戦する。
まず、
2010年までに全ての家庭に情報ネットワークの端末が設定されることをめざし、
規制緩和や競争の促進などを通じた設備投資や通信費用の徹底した低廉化、
全ての人々が自由に利用できるオープン・アクセスのための
公共的支援策を展開する。
現在10%程度の光ファイバーの人口カバレッジを
2010年までに100%にし、
市民や未来を担う子供達が情報に親しみ、
情報によって世界の人々と直接交信できるよう、
全ての教室・図書館、公民館・コミュニティセンター、
全ての病院・診療所などを接続する日本版NII構想を推進する。
(8) 環境創造型社会の形成
地球環境の保全と地域における豊かな環境基盤の確立を最重要課題として取り組む。
長期的戦略と市民生活に根ざした環境政策の確立は
21世紀への責任の最も基本となるものである。
環境基本法の精神に基づいた
「環境アセスメント法」を早期に制定し、
世界に対して環境立国としての立場を明示する。
同時に、大規模プロジェクトについて環境の視点からその見直しを行い、
環境立国にふさわしい開発計画のあり方を追求する。
以上の基本姿勢を受けて、
何よりもまず、食糧の安定供給と安全の確保、自然環境と農林業など
一次産業地域の生活基盤を守ることを基本に、
山林の優先的保護・育成策を飛躍的に強化する。
このため、都市住民を含めた全ての市民が享受する
酸素供給・水資源涵養、休養・浴林などの公共的利益を勘案し、
薄く広い「森林環境税」を創設する。
平地、里山の雑木林についても、
環境としての社会的価値を認め、
保全のための規制を前提に、税制優遇制度の確立を行う。
世界の緑の保護に貢献するため、
熱帯林、針葉樹林などの保護・開発規制基準の制定・条約化を提唱する。
ODAや各種の経済協力の中に地球環境維持のための
植林を明確に位置づける。
フロンや地球環境温暖化物質排出規制の先頭に立ち、
国際基準の上乗せ達成を実現すると同時に、
水準の高い公害防止技術の移転に最大限の努力をする。
デポジット制度の本格導入や廃棄物を資源利用するリバーシブル工場
(再利用を当初から考えて製品を作る工場)の創業を促すとともに、
省エネルギー政策を推進しリサイクル社会の確立をめざす。
(9) 新時代のための教育改革の実現
平和で安全な地球の確立と、誰もが人間として尊重され、
一人一人の尊厳が大切にされる社会を構築するうえで、
教育の果たす役割には大きなものがある。
教育の地方分権を推進して地域に教育の自主性と権限をもたらし、
教育の自由化と、子供たちの多様な能力が生きる人間教育の実現に取り組む。
そのためには、現在の学校制度や、教育する側の立場に立ったこれまでの教育思想と
制度を基礎から見直し、未来を担う子どもたちの立場に立った教育行政に転換する
ことを教育改革の前提とする。
従来の偏差値とは無縁の新しい総合的な学力観を確立する。
学習指導要領のあり方を根本から見直し、
小中学校教育については自治体が責任を持って運営し、
地域の特長を活かした個性的で魅力ある自由な教育が実現できる仕組みへ
変革するとともに、
30人学級の実現を目指す。
現行の6・3・3制を見直し、学制改革に着手する。
偏差値偏重型の教育指導のあり方に終止符を打ち、
一人一人の子どもの多様な個性を尊重する教育に改める。
大学入試では受験生の二重負担となっているセンター試験を廃止する。
生徒・学生のボランティアなどNPO活動への参加を促進する制度の充実や、
日本文化や伝統に対する学習の機会の拡大をめざす。
障害を持つ子と持たない子が共に学ぶ統合教育への道を追求する。
多様な人生選択の機会を保障するリカレント教育など
生涯教育の拡充に取り組む。
学術・科学研究及び芸術・文化などへの重点的取組をすすめる。
(10) 人権保障イニシアティブの発揮
基本的人権を尊重する憲法の精神に沿って、
性別、年齢、職業などによる差別はもちろんのこと、
障害者、被差別部落の人々、先住民、定住外国人など少数者に対する差別と
偏見を除去し、すべての人々がかけがえのない社会の構成員であることを認めあい、
参加と自立の機会を保証し支援するような、しなやかな社会をめざす。
日本の人権認識に対する国連はじめ国際社会の批判を重視し、
その改善のため人権基本法の制定を含めて総合的な
「人権保障プログラム」を策定・実行する。
阪神大震災被災者のおかれた人権状況を深刻に受けとめ、
きめ細かい救済措置を実施する。
定住外国人には、できるだけ早期に地方参政権を付与し、
さらに一定の条件の下で国政参加権についても
実現するよう検討する。
また、在外日本人の投票権を保証する。
このような国内的な人権保障努力を前提として、
世界の民主主義を拡大するために積極的に行動する。
抑圧された少数民族、民主化指導者などの状況改善に向け迅速な
人権擁護の意思表明を行い、国際世論喚起のための積極的な行動を展開する。
また、民族紛争などで起きる戦争犯罪や重大な人権侵害を裁く
常設の機関としての「国際刑事裁判所」の設立に向け、
そのイニシアティブを発揮する。
(11) 男女共同参画型社会の創造
21世紀は、女性と男性の自立が共にすすむ時代となる。
婚姻や家族の形態も多様化し、
個の自立と共生が強く求められるより自由な社会になろう。
それとともに、男女の固定した役割分担や差別、不平等の状態を解消する努力が
すべての分野で求められることになる。
私たちは、その努力と連携し、
「男女共同参画社会」の構築に取り組む。
このため、まず女性と男性の自立を支持し、
個としてのエンパワーメントを促す。
各省庁を横断した「女性問題連絡会議」を設け、
女性差別、リプロダクツ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)など
テーマごとにアクション・プログラムを作成し、
多角的な法制度の整備をすすめる。
夫婦選択別姓制度の導入などの民法改正をすみやかに実現する。
緊急課題である男女雇用機会均等法、パートタイム労働法などの
見直し・強化についても、連絡会議の場で広範な論議を行う。
男女平等政策を実現するためには、
意思決定の場への女性の参画が不可欠であり、
国家公務員はもちろん、
公的審議会、委員会などにクオータ制を導入する。
国会議員に関しては、
当面、女性議員の比率を30%にすることをめざす。
(12) 新しい政治の確立と展開
国家中心型社会から市民中心型社会への転換をすすめるためには、
市民参加の機会を積極的に拡大する新しい政治の姿を確立することが重要である。
このため、首相公選制や国民投票制度の検討を行う。
また、新しい政治システムへの転換をすすめるため、
現行の政官業の癒着構造を断ち切らなくてはならない。
行財政改革を断行し、既得権という名の厚い壁を突き破り、
政官業の鉄のトライアングルを打ち崩す政治の強いリーダーシップの発揮が
求められる。
それには、志のある新しい政治集団と変革を求める市民政治の連携を基礎に、
現行の政治システムの大胆な改革による立法機能と内閣機能の充実が不可欠である。
第一は、国会改革の実施である。
そのためには政治家自らが姿勢を正すことが大切であると当時に、
何よりも先ず議員定数の大幅な削減を断行する。
議員の任期制についても検討する。
また、現行の二院制のあり方を検討し、
衆参の役割を明確にすることが必要である。
この上に立って、国会における立法調査機能の拡充、議員立法の優先審議の制度化、
委員会審議の充実、議会専属スタッフの充実などによる立法機能の整備に取り組む。
第二に、内閣補佐機能の拡充、官邸機能の整備、政治的任命職の拡大、
予算編成権限の内閣への統合など政府機能の改革がある。
第三に、地方議会を地域主権の担い手にふさわしい権限と活動を行使できるよう、
条例制定権の確立や議員立法のための制度的環境を整備支援する。
これらの政治改革に取り組むと同時に、
市民の「知る権利」を明記し行政サイドの事情による不開示を認めない情報公開法の制定、
開かれた公聴会制度の確立、市民のための行政不服審査制度の確立、
各種開発計画における行政手続きの整備と市民参加の促進、
政党活動・議員活動の公開と透明化などを推進する。