国会通信 No.839
【政権交代の必然性
2009/10/5 (マンデーレポート839回の要旨)
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【1】政権交代の必然性。
【2】多極化に対応し始めた日本。
【3】先週の主な活動
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【1】 政権交代の必然性。
●今回の政権交代そしてその直後の鳩山訪米で、見えてきたものがある。
それは、世界全体が、いまや新たな大きな潮流の変化を迎えつつあるという
ことである。08年、09年と立て続けに太平洋の両側で起きた大きな政権交代。
これは、決して偶然ではない。まさに、世界史的な潮流の変化がもたらした、
共通の政治的事象というべきではないか。世界史的な潮目の変化が、期をいつにして、
太平洋の両側で政権交代をもたらした、そんな新たな認識に立つべきではないかと考える。
●今回、太平洋の東と西で、ほぼ同時期に革命的な政権交代が起こった。
東は、初めての黒人大統領の誕生であり、西は、初めての国民による政権選択である。
政治的な地殻変動の甚大さで、双方は共通している。さらに、新政権が抱いている政策
の重要エレメントも、ふしぎなほどに共通している。「悪食資本主義への警戒感」や「
環境保護重視」などの経済政策でも、その強弱の程度差は別にして、共通の問題意識に
たっている。さらに、外交面においても、「核廃絶」、「アメリカ一極主義から多極化
へ」などといった点でも共通している。
●外交辞令としては、アメリカの民主党政権の誕生が日本の民主党政権の呼び水になっ
たという事は出来るかもしれないが、それ以上でもそれ以下でもない。多少の気分的な
呼び水は否定しないが、アメリカの政権交代とわが国の政権交代の間に、科学的な因果
関係を認めるのは困難であろう。まさに世界史的な潮流の変化の共通の表れと見るのが
正しい認識だと思うのである。
●20世紀後半の歴史は、マクロ的に見ると「東西冷戦構造」から「共産主義の敗北」、
「冷戦構造の崩壊」そして「アメリカ一極支配」へと移ってきた。圧倒的なアメリカの
軍事力に支えられながら、コンピューターを駆使したアメリカ流資本主義が世界を席巻
してきた。しかし、9・11以後のテロリズムとの戦いに完全勝利を得られないアメリ
カの焦燥のなかで、リーマンショックがアメリカ流資本主義の限界を実感させ、さらに
BRICを中心とした地域経済の台頭のなかで、パックス・アメリカーナの時代は終わろう
としている。
●ブッシュ共和党政権も、小泉亜流自民党政権も、このような時代状況をまったくわき
まえずに、アメリカ流資本主義を無批判に追求したことで、自らの墓穴を掘り続けたこ
とは間違いないことである。
●一方で、民主党は、96年の旧民主党結党のとき以来、市場原理主義への警戒、環境政
策の重視、アジアとの連携重視などを、基本的な政策理念としてきた。したがって、今
回の民主党による政権交代は、まさに、このような世界史的な潮流の変化に対応する、
必然的な結果であったと認識すべきである。
【2】多極化に対応し始めた日本。
●先日、畏友Y氏がフリーの国際情勢解説者の田中宇(たなかさかい)さんの論文を送
ってくれた。随所に参考になる見解が示されており大変勉強になった。田中さんのお嫌
いな「民主党内の元ネオコン系の人々(リベラル右派)」に、果たして私が当たるかど
うかは、氏の判断にお任せするとして、是非転載させてほしいとメールしたら、快くご
了解をいただいたので、以下に全文掲載する。
●鳩山首相が提案する東アジア共同体構想も、まさに田中氏指摘するところの多極化に
対応する構想だと考える。ぜひご一読いただきたい。
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多極化に対応し始めた日本
2009年9月25日 田中 宇
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民主党の鳩山首相が、就任から10日後の9月23日に米オバマ大統領と会談した。
たまたまニューヨークでの国連総会に両者が出ていたので、その傍らでホテルで25分
会っただけで、鳩山オバマ会談は大した出来事ではないと思う人もいるかもしれない。
しかし、鳩山政権は就任前から反米的とみなされる方針や言動を発しており、米政府か
ら悪意あるメッセージを何も受けず、鳩山がすんなりオバマと会談したことは意外感が
ある。
思い起こせば、先代の麻生首相と安倍首相は、米大統領と会談できるまるでに、就任
から半年待たされている(福田は就任2カ月後に会談した)。特に安倍は、米国に対し
て対米従属の尻尾を思い切り振っていたにもかかわらず、訪米の前に訪中・訪韓せねば
ならない屈辱を(おそらく米国の差し金で)味わった上、半年たってようやく訪米し、
ブッシュ大統領と会談させてもらったものの、晩餐会も開かれず冷たくあしらわれた。
この先例から考えると「反米」の鳩山政権は、オバマに会えるまでに1年待たされても
不思議ではなかった。それが、就任からわずか10日で会談が実現してしまった。(意
味がなくなる日本の対米従属)
今回の国連総会でも、少し前まで世界で最も米国と親しい国のはずだった英国のブラ
ウン首相は、オバマ大統領との正式会談を断られている。オバマは、ブラウン政権がパ
ンナム機事件の容疑者をリビアに帰してしまったことに怒って面会を拒否したという。
英国の報道によると、英政府は条件を変えて5回もオバマとの会談の要請したが断られ
続け、仕方がないのでブラウンは、国連本部内をオバマが移動する時、人混みを避ける
裏道として厨房内を通った際にオバマをつかまえて10分ほど立ち話した。英米両政府
は「米政府が会談要請を5回も断ったというのは事実無根だ」と発表したが、厨房会談
については否定していない。(New low for US-UK ties as Obama meets Brown in a N
ew York kitchen)
オバマは国連総会を機に鳩山のほか、中国、ロシアの首脳とも2者会談を行った。オ
バマが親米のはずの英国との会談を断る一方、反米的な中露とは会談したのは、いかに
も「隠れ多極主義」的だが、会談相手の中に反米的な日本の鳩山が入っているのは、新
政権になった日本がようやく世界の多極化に対応して「非米同盟」の方向に傾いたこと
を象徴しており、興味深い。
鳩山政権では、岡田外相が就任時に、米国に「核の先制攻撃をやめる」と言わせるこ
とを試みる件で質問され「私の持論は、先制使用すると明言する国に核軍縮や核の不拡
散を言う資格があるのかということだ」と答えている。また岡田は、FT紙の取材に対
して「自民党政権の外交政策は、過度に対米従属だった。私は、日本独自の考え方に基
づいた外交をやりたい」と述べている。これらの発言は、従来の日本外交の常識からす
ると、米国に対して言ってはいけない「不敬罪」にあたる暴言である。世の中のしきた
りを知らない子供が「王様は裸だ」と叫ぶようなもので、子供を政権に就かせるべきで
はない、というのが「大人」の自民党や外務省やマスコミの従来の考えだった。(Okad
a seeks to redefine Japan-US relations)
「子供じみた反米論者」とレッテルを貼られる民主党政権の言動からすると、鳩山首相
や岡田外相が国連総会出席のために訪米しても、米政府から冷たい仕打ちを受けて終わ
るという予測が出て当然だ。ここ数年、対米従属一本槍のプロパガンダ体制が組まれて
いる日本のマスコミでは、鳩山政権が就任早々、ニューヨークでオバマ政権から冷や飯
を食わされるのを受けて、いっせいに「無能な鳩山・岡田」と大合唱するつもりだった
のだろうが、その目論見は外れた。
反米のはずの岡田は、反米を許さないタカ派のはずのクリントン国務長官と会談して
笑顔で写真を撮り、鳩山政権がインド洋での海上自衛隊の給油活動を中止しそうなこと
に対して、クリントンは容認する姿勢を見せた。東アジア担当の国務次官補であるカー
ト・キャンベルは、日本の民主党が望む日米の対等関係は、日本が自信を持って自律的
に行動することを意味するので悪いことではないとFT紙に語っている。
▼日本を冷戦思考や対米従属中毒から引き離す「脱官僚」
すでに短く書いたが、私が見るところ、オバマ政権が鳩山政権に対して意外な親密さ
や理解を示しているのは、今の米中枢が隠れ多極主義の戦略を採っているからだ。日本
は小泉政権の時代に、対米従属を強化するか、もしくは対米従属を薄めてアジアとの関
係を強化するかという選択肢があったが、小泉は対米従属強化の方に進み、次の安倍政
権以後はそれが踏襲された。福田政権はアジア重視をやろうとしたが、小泉時代から強
まった中韓朝露に対する敵視プロパガンダに阻まれ、動けなかった。その後の麻生政権
まで、米国は一貫して、表向きだけ日本重視といいつつ、実態は日本無視だった。それ
は、米国中枢で米英中心主義より多極主義が強くなっていったのに、日本は対米従属の
姿勢を変えたがらなかったためだ。
民主党も、しばらく前までは「自民党よりさらに積極的な対米従属策を採る」という
ネオコン的な戦略が党内にあった。今回、国土交通相となった前原誠司らが、以前にそ
の戦略を採っていた。小沢一郎は、以前から「日本は米国・中国の両方と等距離の正三
角形の外交関係を持つべきだ」と考えていたが、それと対照的なネオコン戦略も党内に
あった。しかし、米国でネオコンが失敗の烙印を押され、米国の崩壊感が強まった後に
政権をとった今の民主党からはネオコン色が消えた。前原は巧みに態度を変質し、閣僚
ポストを得た(小沢と対立していたのではなく、小沢の了承を受けた上で、党の方向性
を模索する別働隊的な動きをしていたのかもしれない)。
鳩山が、選挙前に発表した論文「私の政治哲学」で、米国の市場原理主義が失敗した
と明言したことは、民主党がネオコン戦略と決別し、米国の衰退と世界の多極化に対応
して、小沢の正三角形外交戦略に一本化したことを示している。マスコミでは、鳩山と
小沢の間に齟齬があると書かれている。個人的な相性は悪いのかもしれないが、東アジ
ア共同体(アジア通貨統合)や、日米関係の対等化など、鳩山が論文で書いた外交戦略
は、小沢の戦略と一致しており、戦略的には両者の間に矛盾が感じられない。(「私の
政治哲学」鳩山由紀夫)
民主党は「対等な日米同盟」を掲げているが、米国は2000年の「アーミテージ・
ナイ報告書」で、すでに「日本は米国に従属するのではなく、対等な同盟関係に近づく
べきだ」と書かれている。(アメリカの戦略を誤解している日本人)
戦後の日本は、多極主義と英米中心主義が暗闘する米国中枢の、英米中心主義(冷戦
派)の方から強い影響を受けている。冷戦派は占領軍として、政治家より官僚機構が力
を持つ戦後日本の体制を構築したが、その結果、官僚機構は対米従属や冷戦体制の永続
化を望む傾向が強くなり、米国は日本に対米従属を求めているというプロパガンダを深
く国民に植え付けた。民主党が、官僚制度の解体再編を方針として掲げているのは、日
本を冷戦型思考や対米従属への中毒状態から引き離そうとしているからともいえる。
英米中心主義は、国際的な元締めが、情報戦能力が高いMI6の英国やイスラエルで
あり、プロパガンダ技能に長けている。日本を英米中心主義から多極主義の側に転換し
ようとする民主党は、失政やスキャンダルなどを誇大報道されて短命に終わりかねない
。だから鳩山政権は対抗手段として、小沢が得意とする、めくらまし的な表裏のある戦
略をとっている。
▼非米的な国連との協調を強める日本
たとえば鳩山は国連で、豪州や韓国などの首脳と会談し、北朝鮮に対して毅然とした
態度をとろうと呼びかけている。それまでの事前予測では、鳩山政権は社民党を連立に
入れたこともあり、北朝鮮に対して宥和的な態度をとると思われていただけに、意外な
感じがする。しかし、これまでの日本政府が北朝鮮をことさら敵視する政策をとってき
たのは、北朝鮮敵視自体が目的ではない。(Japan's new PM takes lead in talks ove
r NKorean nuke row)
北朝鮮問題をめぐる米国の最終目標は、中国を中心とする東アジア諸国が、米国に頼
らずアジア諸国間の連携によって問題を解決できる体制を作り、東アジアで米国が影響
力を低下させても安定が維持できるようにすることだ。この米国の目標が達成されると
、日本は対米従属が続けられなくなる。だから日本政府は、拉致問題など独自の北朝鮮
敵視策を設け、もし6カ国協議で話がまとまったり、米国が北朝鮮と単独で和解しても
、日本が北と和解せずにすむようにしていた。従来の日本は、対米従属を続けるために
、6カ国協議に対して消極的だった。
鳩山は「北朝鮮敵視」そのものは変えないものの、6カ国協議の場で積極的に中国や
韓国と協調し、問題解決に向かって努力する姿勢を見せている。これは、中国中心の東
アジア諸国が米国に頼らず自律的に北の問題を解決するという、米国の目標に積極的に
協力する姿勢に、日本が転換したことを意味している。対米従属のために中国などを敵
視する従来の日本政府に冷淡だった米国が、鳩山に対しては一転して歓迎姿勢になるの
は当然だ。(Japan's Next PM Pledges Stronger Foreign Policy)
鳩山政権は、インド洋での自衛隊の給油活動を止める代わりにアフガニスタンの復興
支援を活発化するなど「国際貢献」を積極展開することを打ち出している。積極的な国
際貢献は、従来の自民党政権も実行していた。しかし、従来の日本の国際貢献の「国際
」とは、米国もしくはG7など英米中心体制のことだった。これに対し、民主党政権の
国際貢献の「国際」は、国連であり、反米諸国やBRICを含めた、非米化しつつある
国際社会である。
小沢一郎は以前から、日本は米国による世界への軍事進出につき合うべきではなく、
国連主導の軍事行動(平和維持活動)にのみ参加すべきで、しかも活動範囲の主力をア
ジアに限定すべきだと主張してきた。この考え方はまさに、世界の各地域の諸大国が自
分の地域の安定を維持するために努力するという、多極型の世界体制の思考であり、米
国一極による世界体制への追随とは対照的な戦略である。(Ichiro Ozawa: the shadow
shogun)
国連は従来、英米が仕切っていたが、2年ほど前から、中露などBRICや非米的な
途上国集団、反米的なイスラム諸国や中南米諸国の力が強くなり、国連総会では米英批
判が増え、安保理では中露が反対する案件は通らなくなった。今回の国連総会でも、イ
ランのアハマディネジャド大統領や、リビアの指導者カダフィといった反米的な国際政
治家が演説した。世界経済を米国中心体制から脱却すべきだと提案したアハマディネジ
ャドの演説は意外と穏健でとげが抜かれていたが、国連総会初登壇のカダフィの演説は
過激で、ブッシュ・ブレアを裁判にかけろとか、欧米はアフリカを搾取した賠償金7・
77兆ドルを払えとか、ケネディ暗殺の真犯人を追及せよとか、アラビア語で100分
まくし立てた。(UN general assembly: 100 minutes in the life of Muammar Gaddaf
i)
このように、日本が連携を深めようとする国連は、非米化の度合いを強めている。日
本自身も対米従属から多極化対応へと傾いていくだろう。早速、核廃絶の持論を持つ岡
田外相は、イランのモッタキ首相と会談したときに「イランと一緒に世界の核兵器を廃
絶しましょう」と持ち掛けられている。(イランの核開発が平和利用に限定されてきた
ことは、すでにIAEAが認めており、返す刀でイランは、イスラエルや米国を含む世
界中の核兵器を廃絶せよと提唱している。オバマの世界核廃絶提案は、実はイランと同
歩調である)(Japan FM: Iran Says Wants Abolition of Nuclear Weapons %%%)
▼円高容認で対米優位を得る日本
鳩山政権は「地球温暖化対策」に熱心だが、これにも裏表がある。鳩山は国連で、温
室効果ガスの排出を大幅に削減することを世界に向かって約束したが、この約束には「
世界の主要な諸国が同様の大幅削減を目標として掲げた場合、日本も大幅削減を実施す
る」という条件がついている。(New Japanese leader makes world debut at UN, bil
ateral conferences)
世界の気候は今、むしろ寒冷化の傾向にある。温暖化対策を推進してきた著名なドイ
ツの学者(Mojib Latif)が「世界は今後20年ほどは寒冷化傾向になるが、その後は
必ず温暖化する」という新説を発表したりしている。温暖化を主張してきた学者たちは
、今回の温暖化停止(寒冷化傾向)を全く予測できなかった。そんな無能さなのに「2
0年後に必ず再び温暖化するから、世界はその時に備えて対策をとるべきだ」という彼
らの新説が正しいと考えるのは、どう見てもおかしい。こうした懐疑心が世界に充満し
始め、国連が提唱する大幅な排出規制を世界の諸国が実施する可能性は大幅に低下して
いる。鳩山が約束を守る必要は減っている。(Scientists pull a temporary about-fa
ce on global warming)(UK climate scepticism more common)(No Leader on Clim
ate Change as Nations Prepare to Meet)
経済面では、民主党政権は円高ドル安を容認し、従来の日本の「円安ドル高が日本に
は良いんだ」という善悪観から脱却していきそうだ。これを書いている間にも、藤井財
務相が「円安政策はとらない」と米国で宣言した。民主党は、大蔵省財務官出身の榊原
英資を経済顧問としているが、榊原は昨年、ドルが崩壊していく過程を見越したらしく
「安い円が望ましい時代は終わった。資源高騰の中、今後は強い円が日本の国益に合う
」と主張し、その後は「強い円は日本の国益」という本も出している。('Mr. Yen' se
es U.S. policy makers as behind the curve)
そもそも、日本の輸出産業の利益のみに焦点を当てて「日本には円安ドル高が望まし
い」と考える従来の教科書的な考え方は、政治的に見ると、日独がドルを買い支えると
いう、1972年のニクソンショックから90年代の金融グローバリゼーションによる
米英復活までの英米中心主義の戦略に沿ったものであり、日本の対米従属戦略の一環で
ある。米英が金融財政面で崩壊感を強める今の局面で、日本が米英と共倒れになるのは
馬鹿げており、円高ドル安を是認する榊原や民主党の考え方はまっとうだ。民主党政権
は、アジア開発銀行やASEAN+3が推進してきた「アジア共通通貨」(アジア通貨
統合)の構想を支持しているが、これもドル崩壊への備えと考えれば当然の方針転換で
ある。
今のタイミングでの円高容認への日本の方針転換は、米国にとって非常に危険である
。円安ドル高を信奉していた従来の日本は、円高ドル安傾向になると、当局が公然とあ
るいは秘密裏に円売りドル買い方向の介入や仕掛け作りをしていたが、今後の日本はド
ル買いをしなくなり、米国債の買い増しもしなくなっていく可能性がある。これは、ド
ルと米国債が急落する可能性を強める。日本と中国が協調してドルと米国債を見放した
ら、米国は破綻してしまう(日中は巨額のドルや米国債を持っているので、簡単には動
けないが)。(US May Face 'Armageddon' If China, Japan Don't Buy Debt)
日本人の多くは従来「米国に嫌われたら日本はひとたまりもない」と恐れてきた。し
かし今、日本人が「日米関係を変える」とは自覚せずもっと漠然とした危機意識から8
月末にとった投票行動によって民主党政権に転換して考えてみると、日本は対米従属一
本槍の国是を静かに離れることによって、実は意外にも米国に対して強い立場を持てる
事態となっている。似たような米国との関係性の転換は、ここ数年、中国やアラブ諸国
も経験しており、それが世界体制の多極化につながっている。今後、時間がたつうちに
、日本人は世界において自分たちが置かれている新たな立場の意味に気づき、自信を持
つようになるかもしれない。この自信や覚醒(日本人だけではなく、欧米より劣位にあ
ると思い込んでいた世界中の諸民族の自信と覚醒)こそ、米国の隠れ多極主義者が待ち
望んでいるものだと私は考える。ブレジンスキーは、日本の転換を見て喜んでいるだろ
う。(世界的な政治覚醒を扇るアメリカ)
▼小沢一郎を評価すべき
今回の私の記事は、民主党支持になっているが、私は民主党内の元ネオコン系の人々
(リベラル右派)が詐欺師に見えるので好きでない。彼らが、米国本家のネオコンの一
部と同様に「わざと過激にやって失敗させる隠れ多極主義者」であるのなら、その奥の
深さは尊敬に値するが、英イスラエルにがんじがらめにされた覇権国である米国と異な
り、日本は隠れ多極主義などというややこしい自滅戦略をとる必要はないので、日本の
元ネオコンの人々は、おそらく単に風見鶏的に付和雷同なだけである。だから、私は民
主党を支援したいと思わない。
私が今回、民主党を評価しているのは、彼らが日本の対米従属維持のプロパガンダの
嵐を乗り越えて、米国の崩壊と世界の多極化に対する準備を開始しているからである。
プロパガンダを軽信する人々からの中傷や非難を恐れ、マスコミに継続的に登場するた
め、簡単に自説を曲げてしまった言論人が、日本でも米国でも非常に多い。日本の言論
状況は、昭和19年ごろよりひどいかもしれない。そんな中で、日本が米国と無理心中
することを止めようとする民主党政権は、尊敬に値する。小沢一郎は高く評価されるべ
き政治家である。
その一方で、自民党や官僚機構内部にいる人々にとって、対米従属を脱することは非
常に難しいことだったことも理解できる。今回の日本の転換は、8月末の選挙で本格的
な政権交代が起こり、まっさらな民主党が好きなように今後の日本の戦略を変えられる
立場についたからこそ起きた。自民党でも、同じ立場になったら、似たようなことがで
きるはずだ(自民党はリベラル詐欺師も少ない)。民主党政権は、今後あるかもしれな
いスキャンダルや国際金融危機の再来の責任をとらされて短命に終わるかもしれず、自
民党政権に戻るかもしれないが、その場合でも自民党は対米従属に戻らず、多極化対応
を継続することが期待できる(自民党がどう再生するかまだ見えないが)。
官僚機構の内部にいる人々も、米国と無理心中せずにすむかもしれないということで
、今回の日本の転換に安堵しているのではないかと思われる。まだ今後、逆流的などん
でん返しがあるかもしれないが、少なくとも日本がひさびさに国際社会のプレイヤーと
して復活したことは、ほぼ間違いない。日本人として生きるのがうれしい時代が戻って
きた観がある。
【3】 先週の主な活動
■9月28日(月)
08:00 第838回マンデーレポート
14:00 電機連合栃木地協定期大会
17:30 芸術家会議懇親会
■9月29日(火)
09:00 天皇陛下御即位二十年奉祝議連合同役員会
17:15 吉澤石灰工業労組定期大会
■10月1日(木)
18:00 日本弁護士政治連盟衆議院議員当選祝賀会
■10月2日(金)
10:30 国対役員会
11:30 内閣府賞勲局長レク
11:45 芸団協大和様来訪
■10月4日(日)
09:00 やなせ柔道会「第3回やなせ柔道会」開会式
10:30 平成21年度(社福)明照協会 地域交流大運動会
17:00 やなせ柔道会懇親会
18:30 松井正一県議後援会「支援者交流会」