国会通信 No.841

 【本会議論戦始まる 他】

2009/11/2 (マンデーレポート841回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】本会議論戦始まる。   (1)野次と雑音。   (2)ヒットラーユーゲント批判から仄(ほの)見える自民党の問題点。   (3)社会主義批判と友愛 【2】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】本会議論戦始まる。 (1)野次と雑音。 ●鳩山新政権のもと、いよいよ本格的な論戦が衆参で始まった。  先週は、28、29、30日と、3日間にわたって衆参の本会議での代表質問が行われた。  そして明日の2日からは衆参の予算委員会での質問戦が始まる。衆参とも、それぞれ3日  間程度の審議となる見込み。以下は、本会議での論戦についての雑感である。 ●まず、野次というか、雑音というか、議場の喧騒はすさまじかった。特に野党席の  自民党の喧騒は、少々ひどかったように思う。かつて、私自身も、辻立ちと合唱で  きたえた大音声を発していたが、まさに攻守ところを変えた印象である。 ●もっとも、衆参で少しその差は違ったかもしれない。さすが、衆議院では、  め一杯の野次も簡単に消し去るかのような民主党の拍手の大音量。300議席を  超える民主党の迫力が端的に現れていた。その分、参議院の自民党のほうが、  まだまだ余力を残しているかのように感じられた。 ●衆参とも議場の構造はいわゆる「すり鉢型」なので、演壇からの  音は通りやすい。しかし、他方で、平場の議員席の不規則発言の音まで  予想以上に反響させてしまう。そして、演壇の発言者の声をかなり消して  しまうのである。 ●たしかに、演壇にはマイクがあり、議場にはかなり大きなスピーカーもあるのだが、  議員がいっせいに声を上げると、完全にスピーカーの音は消されてしまう。だから、  議場にいるよりもかえってテレビの音声のほうが聞きとりやすい。   ●特に、最近の野次は、「野次」に値しない、単なる「雑音」という名の、  発言妨害でしかないように感じることが多くなってきた。当意即妙で、  ピリッとからしの利いた「風刺」や、言葉の意味を逆転させるような  「諧謔」、発言者の調子を狂わす「とんち」、そんな野次は聞いていて  面白い。時には、発言しているほうも巻き込まれて、おもわずふきだしそうになる  野次もある。だから、「野次」は、「国会の花」と言われたりもする。 ●しかし、昨今の野次は、どうも「花」というよりも完全に「雑音」である。  しかも、耳元に怒鳴り声を無理やり注ぎ込んで黙らせようとする「暴力的な雑音」  である。 ●暴力の対象は、まず発言している演壇の議員に向けられる。しかし、それだけではな  い。  演壇の議員の発言内容とは、まったく関係ないことがらを大音量で怒鳴り散らすことに  よって、議場の演説の聴取を困難にしている。つまり、暴力の対象は、演説を聞こうと  する議場の同僚議員にも向けられていることを忘れてはならない。   ●だから、野次を飛ばす議員と、野次を制止しようとする議員の怒鳴り声の応酬となる。  演壇にたって演説をする議員そっちのけで、平場の議場の与野党議員が怒鳴りあう、  こんなおかしな光景に発展する。 ●だから、私もさいさん「野次は、演説をしっかりと聞いてからにしろ」と、やじり返  すことになる。先ほど述べた「風刺」「諧謔」「とんち」も、発言の内容としっかりか  らんで  いるからこそ「国会の花」になりうると言うことを忘れてはならない。そう肝に銘ずべ  きである。だからまずはしっかりと発言を聞くべきである。そして、瞬時に、論旨の弱  点や、見落とし、あやまり、隠された本音や思惑などを、見出すべきである。そして、  そのうえで野次を飛ばすべきである。 ●残念ながら、そのようなゆとりが希薄になってしまっている。相手の発言を、聞いて  からの野次ではない。発言中に、発言とは関連のない意図的な不規則発言をする。  これが当たり前となってしまった。少々物悲しい国会である。そして、私自身も、  我慢しきれずに、「話を聞いてからやじれ」とやじり返す。発言者そっちのけの、  平場の野次の応酬に、私自身もいつしか巻き込まれていく。自己反省。隠忍自重。 (2)ヒットラーユーゲント批判から仄(ほの)見える自民党の問題点。 ●衆議院で、演説後の鳩山総理に期せずしてスタンディング・オベーションが  沸き起こった。これを、谷垣総裁は、ヒットラー青年団(ヒトラー・ユーゲント)の  ようだと皮肉った。しかし、国民の共感は得られなかったのではないか。  この発言は、かなりアナクロニズム(時代錯誤)と言わざるを得ないからである。 ●総理の所信表明演説の最後は「新しい時代をともに作りましょう」との全議員に対す  る呼びかけで終わった。この真摯な呼びかけに、感動のあまり、彼らが規律して拍手し  たのは自然な光景だったと思う。 ●また、民主党の新人議員の中でヒトラーユーゲントの存在を知っている人は、おそら  く1割もいないだろう。多くの新人の諸君は、むしろドイツ帝国よりも、米国議会での  オバマ大統領の発言と恒例のスタンディング・オベーション(アメリカでは、与野党と  もに、初回は規律をして拍手する。)風景を念頭に置いたものだと考えるべきだ。 ●しかし、そんなことは賢明な谷垣さんは先刻承知の上だと思う。そのうえで、あえて  発言したに決まっている。発言の意図は、「小沢=ヒットラーの印象作り、そして民主  党  =小沢支配の、悪意に満ちたそして軽薄なレッテル貼り作戦なのだと想像する。   ●しかし、そんな低レベルの民主党批判しか出てこないところに、今の自民党の置かれ  た  つらい状況があると、私には見えてしまう。もっと率直に言うと、自民党の置かれてい  る最大の問題点が、解決できずに苦しんでのたうちまわる自民党の惨状が見えてくるの  である。 ●今回の臨時国会、再生を期す自民党として、真っ先に提示しなければならないのは何  か。  それは、民主党の基本政策に対する明瞭な対抗軸ではないか。  9月16日の初閣議で示されたように、民主党は新自由主義の行き過ぎを是正する方向を  しっかりと明示した。 ●国会通信第840号で引用した9・16閣議決定。いわゆる鳩山政権の基本方針に、  以下の表現がある。  「経済合理性のみを評価軸とした経済から、人間のための経済への転換です。   経済の活性化のための規制改革を引き続き継続することは当然ですが、規制緩和それ  自体が目的ではありません。雇用のセーフティネットの強化や食・住まい・交通・学校  など身近な生活面での安全確保に努めます。」 ●この部分は、言うならば「アメリカ発の市場原理主義に対する修正宣言」である。  そして「国民の生活が第1」、「友愛社会の創造」といったスローガンもこの考え方と  同じ潮流にあることは言うまでもない。これに対して、谷垣新体制は、新しい自民党の  再生の原理を何に求めようとしているのか。それがぜんぜん見えてこない。これこそ、  今の自民党が抱えている最大の問題点である。 ●谷垣新体制になってから相当時間がたっているのに、いまもって選挙の敗因の分析や  総括が出来ずにいる。それは、小泉竹中路線に象徴されるワシントンコンセンサス・新  自由主義経済などの総括から、逃げ続けていることを意味する。その結果として、  「家族の絆」や「保守の再生」が語られているのではないだろうか。 ●「保守」とはなにか。守るべき対象は何なのか。対象を、「日本国古来の伝統や文化」  とするなら、それは人によって千差万別の不確定な内容でしかない。きわめてあいまい  すぎて、とても現実の政策の指導原理にはなりえない。「絆」にしても、鳩山総理も好  きな言葉ではあるが、やはり内容はあいまいである。 ●まさに対抗軸を見出しかねている自民党が、結局のところ相変わらずの小沢批判に、  その逃げ場を見出そうとしている。そんな苦しさが「ヒトラーユーゲント」発言に  結びついているのではないだろうか。   (3)社会主義批判と友愛 ●参議院の代表質問に立った林芳正氏の「民主党=社会主義」論にも、残念ながら、  自民党の手詰まり感が見えて来る。もはや、理念的な「○○主義」で、経済を語りつく  せない時代に入ってからずいぶん時間がたつ。このことは、自民党でもっともクレバー  かつノーブルな議員の一人であり敬愛する林芳正氏は、これまた、谷垣さん同様、この  ことは先刻承知のはずである。 ●サッチャリズムを継承したブレア首相がとった政策は、サッチャーさんの競争主義を  引き継ぎながらも、教育や福祉政策を拡充することで格差拡大と戦う姿勢を示した。そ  れを修正資本主義と言おうと、修正社会民主主義と言おうと、それは言葉の問題でしか  ない。レッテル貼りをして、相手の政策を批判してすむような時代は、もうずいぶん昔  に終わっている。問題は、力点をどこにおくかであり、具体的に何をするかなのである  と私は考える。 ●参議院の代表質問で円より子参議(民)が「友愛」の意味を質問した。これに対する  鳩山総理の答弁は、きわめて明確だった。総理の答弁は、「過剰な自由は格差をもたらす。  過剰な平等は活力を失わせる。それを調整するのが『友愛』だと思う。」まさに明快。  わが意を得たりで、思わず大きく拍手をした。「調整」と言う言葉を使ったかどうかは  、  まだ議事録が公開されていないので確認できないが、同趣旨の表現だったと思う。 ●まさに、アメリカ発の市場原理主義を金科玉条のごとくうけいれて、金縛りになって  きた、そんな自民党政治を乗り越えるために民主党政権は誕生したのである。表現の差  は  あれ、民主党はこの観点では一致している。したがってこれからの政策運営の基本方針  は  明確である。しからば、自民党はこのような民主党政治にどう対抗するのか。それが  明示されていない。「友愛」批判をするなら、自民党の対抗軸を明示してからにしてほ  しい。  本会議の論議を聞きながら、一番のポイントは、このことだと実感した。 【2】 先週の主な活動 ■10月26日(月) 09:20 議員総会 10:00 本会議1R ★本会議場で、参議院の予算委員長に指名されました。  戦後の参議院では、かぞえて第71代目の予算委員長になります。  国会通信号外をご覧になり、多数の皆さんからご祝詞メールをいただきました。  心から感謝申し上げます。  また、もうひとつ、法務委員会の委員にもなりました。ご報告申し上げます。 10:15 予算委員会委員部と打合せ 10:25 参議院予算委員会委員部レク 11:10 常任委員長懇談会 11:25 江田五月参議院議長 11:30 両院議員総会 12:40 天皇陛下御出迎え 13:00 開会式 13:10 天皇陛下御見送り 15:00 本会議2R 総理所信表明 ■10月27日(火) 15:30 日米欧総合安全保障協議会事務局とのうちあわせ。 16:40 財務省幹部表敬。 主税局長ほか。 18:30 東京翔進会拡大役員懇談会 ■10月28日(水) 11:00 日銀審議役他 11:30 北関東ブロック国会議員団会議 18:30 国連合唱団レセプション ■10月29日(木) 09:30 議員総会 10:00 本会議 14:00 平野達男参院議員 ★予算委員会の運営について筆頭理事となる平野さんと打ち合わせ。 16:40 故黒川充様弔問 17:00 故鈴木イト様弔問 ■10月30日(金) 09:30 議員総会 10:00 本会議 12:00 予算委員会理事会 12:15 予算委員会 ★予算委員長としてはじめて臨む委員会。  「54年続いた政権の交代。最重要な委員会の委員長しての責務の重大さを実感。  中立公正な委員会運営を旨としたい。」と挨拶しました。  自民党席からは、最初から「短くしろ、冗談じゃない、挨拶など聞けるか」など  若干名の野次あり。端的に挨拶させていただきました。 ■10月31日(土) 15:00 NTT労組退職者の会定期総会 ■11月1日(日) 09:50 栃木県ディスクゴルフ交流大会開会式 12:30 立正佼正会宇都宮協会発足五十周年記念祝賀会 17:00 石森ひさつぐ総合選対解散式