国会通信 No.851

 【事務次官改革の重要性】

2010/2/15 (マンデーレポート851回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】「事務次官」改革の重要性。 【2】アメリカ海軍の人事システム。 【3】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】「事務次官」改革の重要性。 ●「事務次官」を頂点とする霞ヶ関の人事システムの改革が焦眉の急と  なってきた。事務次官を降格する際の要件をどう決めるか、このこと  についての最終的な意見調整に、内閣は入ったようである。 ●この問題こそ、実は、霞ヶ関の官僚制度改革の核心だと考える。  高級官僚OBが、この国の深部に張り巡らしてきた、暗黙の支配構造。  その心臓部を直撃するのが、この論議である。いよいよ「トラの尾を  踏む」瞬間が目前に迫ってきたのだ。反発の圧力は、さらに、強まるだろう。  さらには、内部分裂を誘うさまざまな仕掛けも強烈に浴びせられるだろう。  しかし、負けてはならない。政権・与党は、一丸となって戦うべし。 ●「事務次官」、それは、長きに渡った自民党政権のもとでは、国権の  最高機関である国会議員の質問にすら、さらされることのない「聖域」だった。  予算委員会だろうと、財務委員会だろうと、その他すべての委員会で、  事務次官の出席と答弁を求めても、平然と国会への出席を拒むことができた。  そして、自民党政権は、当然のごとくこれを容認し擁護した。 ●大臣が絶対に拒めない所管委員会への出席を、当然のごとく免れてきたのが  事務次官である。もちろん、出席しない法的な根拠はどこにもない。  単なる「慣例」でしかない。これが「事務次官」である。まさに、国民主権も  侵入が許されない「治外の領域」だったのである。 ●さらに、事務次官はたった「一人」でなければならない。だから、  ピラミッドの頂点にたどり着く何年も前から、同期の官僚は振り落とされて、  外の世界に投げ出される。これが、天下りである。すなわち、事務次官は、  天下りの制度的な元凶であると言っても良い。 ●また、事務次官は降格されることがない。いったん着任した以上、退職の瞬間まで、  組織の頂点に君臨する。もちろん、ノンキャリの人が事務次官になることはありえない。  したがって、キャリア試験で何番と言うバックナンバーが終生付きまとう。  そんな中での人選だから、抜擢は異例であり、システムは徐々に硬直化し活力を失う。 ●選挙にさらされることも、議員の質問にさらされることもない。その結果として、  大臣を上回る実質的な影響力を確保する。そんな事務次官の存在は、きわめて  非民主的な存在である。事務次官制度は、これまで限りないマイナスをこの国にもたら  し続けてきた。その機能の最大のものは、官僚の既得権擁護である。 ●天下り構造の頂点を形成してきた高級官僚群は、この国の至る所に、無言の圧力を加  えながら君臨している。かつて、「事務次官のなかの事務次官」と呼ばれた人物が日銀  総裁に天下ってきたように、この国の社会・経済の上部構造を掌握してきたのは、これ  ら高級官僚OBたちである。彼らがいたるところで撒き散らす「空気」こそ、いま民主  党政権の前に、立ちはだかっている見えざる敵の正体である。心すべし。 【2】アメリカ海軍の人事システム。 ●事務次官改革のことを考えていたら、かつて読んだ「失敗の本質」を思い出した。 ダイヤモンド社が昭和59年に出版した「失敗の本質ー日本軍の組織論的研究ー」は、 不朽の名著だと思う。私は、この本をメモをとりながら読み、多くのことを学んだ。 ●降格されない事務次官の存在は、旧日本軍の人事制度に良く似ている。「失敗の本質 」に、その辺に触れた部分があったのではないかと気になった。さらに、日本軍と比較 して、アメリカの軍の柔軟な制度に触れた部分があったはず。そんな記憶がよみがえっ てきた。 ●日本軍の硬直的な人事システムと比べると、確かアメリカ軍のほうは、プロジェクト 毎に昇進させて、プロジェクトが終わったら、元に戻す、そんなやり方をしているとい った記述があったような記憶がある。気になりだしたら矢も盾もたまらなくなった。 自分の本は、東京の議員会館に持っていって地元にはなく、どうしても読みたくなって、 市立図書館に行ってみたら、ありがたいことに借りることが出来た。 ●読み返したら、217ページから始まる「組織上の失敗要因分析 人的ネットワーク偏 重の組織構造」の部分にあった。223ページの最後の行から始まる部分で、「米海軍の ダイナミックな人事システム」として以下のような内容を紹介している。 ●「米海軍のダイナミックな人事システム」 「米海軍では一般に少将までしか昇進させずに、それ以後は作戦展開の必要に応じて、 中将、大将に任命し、その任務を終了するとまたもとに戻すことによってきわめて 柔軟な人事配置が可能であった。」 ●日本海軍の場合 「(アメリカ海軍に対し、日本の場合は)「軍令承行令」によって、指揮権について先任、 後任の序列を頑なに守った硬直的な日本海軍と対照的である。」 ●ダイナミズムを注入 「米軍の人事配置システムは、官僚制がもつ状況変化への適応力の低下という欠陥を是正し、 ダイナミズムを注入することに成功した。」 ●「集団主義」と「ダイナミックな構造主義」 「米軍の組織構造全体は、個人やその間柄を中心とする日本軍の集団主義と決定的に 異なる原理によって構成され」「すべてがシステムを中心に運営、そしてエリーとの 選別・評価を通じてシステムを活性化し、必要に応じて変更することができると言う 意味での「ダイナミックな構造主義」と呼べる。」 ●以上の記述は、今もって参考になると思う。大臣・副大臣・政務官といった各省の 最高意思決定システムが構築された以上は、事務方のトップとしての事務次官を おく必要はないし、置けば置いたで、逆に混乱要因になるのは見えている。 さらには、旧来の事務次官会議などの横断的な各省との連絡調整こそ、政治的な考慮を 最大限に働かせる場合であって、事務方の判断を超える話であろう。さらに、 あえて事務方のトップがこれを行うとすると、既得権の交換分合以上のことが出来るわ けがない。まさにアメリカ海軍(現在どうなっているかは知らないが)のように、 「作戦展開の必要に応じて任命し、その任務を終了するとまたもとに戻す」式のシステ ムを新たに構想すべきであると考える。 【3】 先週の主な活動 ■2月8日(月) 08:00 第850回マンデーレポート 10:00 故江連喜一郎様告別式 13:30 日立労組グループ議員団全体会議にて講演 ■2月9日(火) 08:00 東京翔進会朝食勉強会 11:00 自治労栃木県本部中央委員会 15:30 予算委員部と打ち合わせ。 15:45 事務所打合せ。 16:00 フィンランド国会財務委代表団一行との懇談会 ■2月10日(水) 14:00 NTT労組東日本本部委員会 18:00 自治労上都賀ブロック春闘学習会 ■2月11日(木) 09:20 日立AP労組栃木支部ユニオンセミナーにて講演 11:00 福田あきお「新春躍進の集い」 ■2月12日(金) 14:30 東芝メディカルシステムズ訪問。 ★2月19日の委員派遣のご挨拶。 17:30 第2回とちぎ未来農業研究会交流会 18:30 谷ひろゆき後援会「2010合同新年会」 ■2月13日(土) 10:00 2010連合栃木青年委員会定期総会 ■2月14日(日) 11:00 栃木県鍼灸師会創立60周年記念式典 12:00 宇都宮市太極拳協会合同新年懇親会 14:00 栃木県交響楽団定期演奏会 15:00 栃木青葉会総会 19:00 鈴木ふみおを囲む女性の集い