国会通信 No.912
【委員会審議のルール】
2012/02/06 (マンデーレポート912回の要旨)
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【1】委員会審議のルール
【2】国民の視点がかけた選挙制度論議は、もうやめにしたらどうですか
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【1】委員会審議のルール
●先週は、田中防衛大臣の予算委員会での対応が、問題になっていました。
外交防衛の集中審議ですから、委員会に出席が求められている閣僚であることは
間違いありません。委員会を中座する場合になれば、各会派の理事の承認を求めるのが
当たり前のルールになってきます。
●大臣ももちろん人間ですから、体調不良や、生理現象は当然あります。
やむをえず中座することもありえます。そんな時は、各会派の理事、
特に野党会派の理事を得て中座するというのも当然です。
●そして、用件を済ませたら直ちに、委員会の場に戻ってくるのが、
当然の心得となります。まして、集中審議の主役となっている大臣であるとしたら、
必要やむを得ざる場合に限って、中座が許されると考えるのが閣僚として
当然の覚悟だと思います。今回の混乱は、とても残念です。
●こんな混乱の中で、行なうべき議論の焦点がどんどんぼけていく。
そして、国会の機能や政治の評価がどんどん低下する。与党も、野党も全体として
沈没していく。いまの国会を見ていると、とても残念です。
●かつて城山三郎さんが書いた浜口雄幸首相の晩年(もしかしたら最後?)の登壇風景を
思い出します。東京駅で狙撃された浜口首相。一命はとりとめましたが、
何とか回復したのち、総理として国会演説に立ちました。足はむくみ、靴を履くことも
できぬくらいに腫れていたそうです。裸足のあしを墨で黒く塗り、靴を履いているかのように
見せながら、登壇したとのこと。
●首相としての責任を全うしようとする、すさまじい気迫。
そんなすごい政治家がかつてはこの国にいました。私の同僚にも、医療行政について
遺言とも言うべき本会議演説をなしとげ車椅子で院内にあいさつ回りをして2ヵ月後に
亡くなった故今井澄参議院議員、頬がこけ白髪となりながら「がん対策基本法」の
成立をうったえて直後に病没した故山本孝司参議院議員、そんな見事な政治家人生を
送った方々が身近にいました。そんな緊張感を、質問する側も、答弁する側も、
ともにもってほしい。切にそう思います。
●反省をこめながら、振り返れば、国会審議にのぞむ視点に、国民の観点が
欠落していたように思います。政権を会い争う戦場が国会であり、
そのための闘争感覚が支配的だったような反省があります。
●政争の場であることはやむなしとしても、争いの最終的な目標は、国民にとって、
論点と争点が明らかにすることにあると言うべきなのでしょう。
●国会審議は、つまるところ、与野党の別なく、国民の立場にたって、国民にわかりやすい
意味のある論議を尽くすことにあるんだと、しっかり認識すべきだと、思います。
【2】国民の視点がかけた選挙制度論議は、もうやめにしたらどうですか。
●また、選挙制度論が各党で行なわれています。しかし、あいかわらず、
選挙される側の、選挙制度論のみ。選挙する側の選挙制度論が、まったくでてきません。
●選挙の主役は、有権者です。しかし有権者にわかりやすい制度にしようといった議論は、
ほとんど行なわれません。選ぶ側ではなく、選ばれる側の都合がいつも優先してきました。
●そして、その結果としてこの国の選挙制度は、おそらく世界でもっとも複雑で
わかりずらい制度になっています。そもそも、わかりずらければ、最初から投票する
気持ちがなえてしまいます。投票率が上がらない最大の理由はまずここにあるということ。
これを理解すべきです。
●この国の制度作りのほとんどすべてに欠落しているのは、制度を利用するユーザー、
すなわち国民の視点が欠けていることだと思います。行政でも、選挙制度でも、
そこに共通しているのは、制度を利用する国民にとって、使いやすいかどうかといった
重要な視点が抜け落ちているということです。
●しかも、ユーザーは、同時に制度の運営コスト(=税金)の負担者なのですから、
コストだけ負担させられて、使い勝手の悪い制度を黙って利用することを
強いられるわけですから、これは、かなり悪質だと思うべきです。
●さらに選挙制度に関する法律のすべては、内閣提出の法律ではありません。
選挙法のすべては、議員立法です。この観点から見ると、この国の民主主義の出発点で
あるはずの選挙制度は、そもそも国民無視からスタートしていると言うべきです。
●たとえば、わたしは参議院の比例区で出馬する決意をしていますが、
はたと悩んでいるのは、制度の説明がとても難しいということです。
●おそらくかなりの知識人でも、参議院の比例と、衆議院の比例の違いを正確に
説明するのは難しいと思います。全国単位(参)に対して、ブロック単位(衆)。
順番が個人名の全国集計(参)か、惜敗率(衆)、、、などなど、
制度の中身を正確に説明できる人は、少ないと思います。
●そして、衆は小選挙区と比例の並立制。参は、中選挙区制的な地方区と比例の
分立制で、3年ごとの半数改選制。こんなわかりづらい面倒くさい制度では、
もう最初から投票率が上がることを期待していないようなものです。
●選挙制度の改正論議は、政治家都合で行なわせてはならないのです。
もっと選挙する国民の側に立ってわかりやすい制度を作る、そんな原点からの
議論をどこかでしてほしいものです。さらに、制度を改正する場合でも、
できるだけ簡明な選挙制度にするようつとめるべきだと思います。